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活動報告

point_1Ac.png【セミナー】理工学系女子の未来カタログ Vol.1を開催しました。

mirai vol1.png成24年11月17日(土)午後に九州大学・筑紫キャンパスにて理工学系の若手女性研究者や女子学生を対象としたセミナー【理工学系女子の未来カタログ Vol.1】を開催しました。このセミナーは、理工学系に携わる若手研究者や女子学生の発展・促進を目的に実施されました。

回のセミナーは三部構成になっており、
第一部は「キャリアパス:大学卒業後の世界」をテーマに4人の理工系で活躍されている女性研究者・技術者の方々がお話して下さいました。

九州大学 西堀麻衣子
リケジョ諸国漫遊記-そこに実験室があるから-
 どこで・何のために・何をするのか」という迷いは、研究者・技術者に関わらず誰もが抱くことです。自分がステップアップするために、より良い場所・職を求めて異動することは、決してマイナスなことではありません。私は、大学卒業後からこれまで、さまざまな研究所を渡り歩きながら、異なる専門分野への転職を経験してきました。本講演では、私がこれまでに巡った研究所でのシゴトと、そこでの素晴らしい出会いについて紹介します。

愛媛大学 森雅美
実験のプロフェッショナルを目指して
 大学で研究をしている人には、教員、技術職員、研究員、ポスドクなどざまざまな職種があり、業務内容や待遇はそれぞれの職種によって異なります。私は、愛媛大学で技術職員という立場で働いています。大学の技術職員は実際に自分の手を動かし実験を行い、この大学でこの技術を持っているのはこの人しかいない!!と思われるような技術を身につけ、教員の研究をサポートすることが仕事です。本講演では、技術職員としての私のこれまでの歩みを紹介させていただきます。

日本ベル株式会社 立石優子
企業で働くとは-機器メーカー開発部の30女のリアルな声を-
 私が在籍する日本BELの社名の由来は『Business for Enjoying Life』です。この言葉を根底におき、現在は『自社製品で国内シェア1位を保持し、技術・顧客満足度・売上全てにおいて世界1位を目指す。』を目標に掲げ、約50名の社員が日々邁進しています。企業には色々な形態がありますが、ここで働く技術者が何を思い、何に挑戦しようとしているかを紹介させて頂きます。皆様の自己分析のきっかけになれば・・・と思います。

新日鉄住金化学株式会社 岡崎奈津子
化学メーカーで働く理系ママの日常とこれまでの道のり
 大学への3年次編入試験は通常の大学試験と異なり、試験内容や編入してからのカリキュラムが大学によって様々です。編入したいと決断するに至った経緯や、大学編入の準備と大学生活について実体験をもとにお伝えいたします。また、企業で働く理系出身者は研究や製造部門だけでなく、新規事業の技術マーケティングや知的財産・営業部門と多岐にわたり活躍しています。学生の時に培った専門性をビジネスで活かせる事は、働く上で大きな強みとなります。最後に化学メーカーで働くママの一日の生活と会社での仕事をご紹介し、仕事のやりがいや社会とのつながりについてお話ししたいと思います。

二部は第一部から引き継ぐ形で「ライフワークバランス:母になった工学系女子」というテーマを元に現役女性研究者でありながら母親業も両立してらっしゃる3名の方が下記のようなお話をして下さいました。

九州工業大学 毛利恵美子
仕事も続けたいけど、子供も産みたいし、育てたい人へ
 「仕事をしつつ家庭も持つ。」古代人には当たり前のことが、現代日本では難しい!「仕事」と「家庭」の役割分担は、社会的に「効率的」かもしれないが、う~んと寿命が延びた日本における個人の一生がそんなに効率的である必要はあるのか?本当は男女共に両方に関われる方が楽しいのでは?という素朴な疑問から、自己実現と家庭生活のために我が家が選んだのは、ソフトモードの共働き形態です。ソフトといっても決して楽ではない現在進行形の二児の子育てと新しい研究室での奮闘をお話しします。

矢崎エナジーシステム株式会社 柴田真紀子
企業の研究所で働くことのいろいろ
 女性が結婚や子育てをしながら企業で働くということについて、私自身の経験と矢崎エナジーシステム株式会社の取り組みを例に挙げ、お話させていただきます。子育てをしながら働くということには様々なハードルがあります。しかしながら、現在では働く側も企業側も、働きたいという思いを尊重しようという動きが高まっています。企業では育児休業法に沿った形で各種制度を整備すると共に、各企業が独自の制度を取り入れ、より働きやすい環境を作る取り組みを行っています。企業の制度や取り組みを知り、それをうまく活用しながら働き続けるという具体例を知ることで、学生の方々が自身の将来についてより明確なビジョンを持つことができればと思います。

九州工業大学 高瀬聡子
壁を乗り越えると楽しい育児と研究
 空気と水素で発電する燃料電池を一般家庭に普及させるために、触媒の研究をしています。触媒は粒子の大きさや分子間の距離によって活性が大きく異なります。活性が低いと判断されていた化合物が高い活性を示すことがあります。このように物質の特性は化学式では判断できないことがあり、化学の可能性に魅了されています。また、子育ても子供の可能性の大きさが魅力の一つだと思います。しかし、研究活動よりも先が見えません。女性に育児の責任が偏っていることに腹が立つこともありますが、子供の成長とともに、育児を頑張ってきて良かったと思うことが多くなりました。病気の子供がいても研究者を続けることができた経験談を紹介したいと思います。

三部はスイーツセミナーとして、お茶とお菓子を楽しみながら、リラックスした雰囲気で先輩女性研究者・技術者である福岡工業大学の桒原順子先生と九州大学の冨永亜希先生と直接お話しができる場を設けました。